グランプリ静岡2018(レガシー・スタンダード)
グランプリ静岡2018(レガシー・スタンダード)
先週、レガシー・スタンダードで開催されたグランプリ静岡に参加してきた。
4日間通して負けまくったので、レポートするほどのことはないのだが、構築のグランプリは初めてだったということで、感想を残しておこうと思う。

■レガシー:デス&タックス

レガシーは正直ほとんどやったことがなかったのだが、デッキを一つだけ持っていたので勢いで参加することに。
一応、MOとリアルで多少練習したのだが、レガシーはやり込まないとまるで勝てないということが判明。
さまざまなデッキがあり、そのどれもがポイントを押さえないと一瞬でマウントをとってくるため、セオリーを知っていなければゲームにならないのである。
特にデスタクはコントロール寄りのデッキで、対面のデッキごとに勝ち方が変わってくるため、知識と練習量がものを言うという印象だった。

というわけで勝てる気はしないものの、エントリー料は払ってしまったので参加。
・ラストチャンストライアル
○カナスレ
×スニークショー
・グランプリ本選
○《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》エンチャントコントロール
×エルドラージ
△土地単
×超起源
でドロップ。

カナスレの方はあまりデスタクのカードを知らなかったらしく、また本選1回戦の外国人の方は競技プレイに慣れていない様子で、自分の方がうまい場合は勝てるというのもレガシーらしかった。
土地単には1戦目を落とし、2戦目も《罰する火》と《壌土からの生命》が回り始めてしまうものの、なぜか相手の《罰する火》と《蛮族のリング》を《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker(MBS)》と《聖域の僧院長/Sanctum Prelate(CN2)》でかいくぐって勝ててしまう(相手の方がミスっていたらしい)。3戦目は時間切れとなったが、自分もレガシーらしいゲームができるのだと多少は自信になった。
グランプリを通じてレガシーもやっていて楽しいと思えるようになってきたので、今後も少しずつプレイしていきたい。
とはいえ、対面でいろんなデッキと練習させてもらわないと強くなれなそうだが…。

■スタンダード:ビッグレッド

スタンはシーズン当初からゴルガリミッドレンジを回していたので、レガシーに比べてまだ経験があったといえるものの、グランプリ前は忙しかったため結局ほとんど練習できず、前週末になってもデッキリストも固まらないままだった。
そんなときにコジマさんの配信(https://www.twitch.tv/kojima_works)でビッグレッドの存在を知り、自分で2リーグほど回してみたところ、取り回しやすそうな感触を得る。
特にゴルガリだとぜんぜん勝てなかったイゼットフェニックスに有利に戦えそうだったため、これはグランプリで使うかもしれないと慌ててカードを注文しておいた。

結局デッキは直前まで決まらず、当日の朝に会場にデッキリストを2枚持っていったのだが、最終的にビッグレッドを選択。
理由は以下の2つだ。
・青いデッキに強そう。
グランプリで一番多そうなのはゴルガリだが、それと同じくらいイゼットとジェスカイが多いのではないかと予想していた。
日本人は青が好きだし、これらのデッキを環境初期から使い込んでいる人も多そうに思える。
ビッグレッドはこれら2つに優位に立てると感じていた。
あとイゼットとジェスカイは相手していて面白くないので殺しに行きたかった。
・プレイが簡単。
ビッグレッドは赤単ゆえにあまり器用ではないが、その分やるべきこともはっきりしており、それほど練習していなくても使えそうだった。
実際、考えることは除去の打ち方くらいだ。
一方でゴルガリはロングゲームになることが多く、細かいやり取りが勝敗に影響してくるため、多少使っているくらいでは同型にもまるで勝てない。
またどんな相手にも対応できるポテンシャルがあるものの、意識されているデッキでもあるので、きちんと使い込んでいなければ勝負の土俵に立てないように思われた。

ようはビッグレッドなら自分もデッキ勝ちできるのでは?ということだ。
ちなみにイゼットやジェスカイに勝ちたいのなら白ウィニーが良いのでは?と思われるかもしれないが、自分もそう思ってグランプリの前の週に試してみたところ全然勝てず、自分はこのデッキを回すのが下手すぎて到底練習が間に合わないと判断していた。

大会の結果は以下の通り。
・グランプリ本選
○ジェスカイコントロール
○ジェスカイコントロール
○エスパーコントロール
×ジェスカイコントロール
×イゼットフェニックス
×ジェスカイコントロール
・PTQ
○白ウィニータッチ赤
○セレズニア
×グリクシスコントロール
×ゴルガリミッドレンジ

本選の当たりは想定以上に青いデッキだらけだったが、3連勝のち3連敗でドロップ。
そもそもジェスカイには有利かと思っていたが、それは序盤のクロックから《苦悩火/Banefire(MM2)》や《オラーズカの拱門/Arch of Orazca(RIX)》につなげられた場合で、相手がカウンター→カウンター→テフェリーと動いてきたりするとそれだけで敗色濃厚になる。
また《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun(GRN)》もかなりキツく、アド損覚悟で処理できれば良い方で、横並びが全く通じないし、6回戦のようにあと《苦悩火/Banefire(MM2)》で勝てそうというところから《轟音のクラリオン/Deafening Clarion(GRN)》とのコンボでライフを安全圏に戻されひっくり返されるという展開も珍しくなさそうだった。
またビッグレッド自体、取り回しやすいデッキとはいっても、さすがに練習量の少なさは出るもので、4回戦2ゲーム目では土地2枚に《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》なしという初手をキープして土地が伸びずに負けてしまったり、6回戦の1ゲーム目で上記のニヴ・クラリオンという展開を予想できずにニヴを除去する選択肢を逃してしまったりしていた。

ちなみにビッグレッドに関しては、白いアグロはきついかと思っていたが、軽量除去や《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler(DOM)》をしっかり引ければ対応できるようだ。ただ当たり前だが《実験の狂乱/Experimental Frenzy(GRN)》がどうしようもないのは辛い。
イゼットフェニックスには、メイン《溶岩コイル/Lava Coil(GRN)》4枚《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》4枚なのでさすがに有利そうだが、除去が足りないと押し切られて負けることもある。
ゴルガリは消耗戦になってくると戦えるのだが、《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》や《殺戮の暴君/Carnage Tyrant(XLN)》のように特定のカードでしか対処できない脅威が動き出すとすぐに負けるので、あまり有利とは思わない。
まあこの辺はみんなもっとちゃんと回して把握しているだろう。

というわけで、グランプリ静岡はとても悔しい結果に終わった。
次に参加するときは結果勝てないにしてもしっかり練習して挑みたい、という当たり前のような感想を残して筆を置く。
スタンPPTQ/ゴルガリミッドレンジ
昨日、某ショップのPPTQに参加してきた。
定員32名のスイス5回戦・TOP8はシングルエリミネーション。
使用デッキは画像のゴルガリミッドレンジ。

今のスタンダードは、MOの競技リーグに参加するとメインから《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》を出されたりするような環境で、ゴルガリミッドレンジは最も意識されているデッキといえる。
あまりに意識されたためか、直前のグランプリ・ニュージャージーではTOP8に一人も残れず、前環境の赤黒のようにメタられても勝てるパワーのあるデッキではないと言われている。
僕はリアルでそこそこ値の張るゴルガリミッドレンジを組んでおり、このデッキくらいしかろくに使用経験もなかったため、大会に出るなら他に選択肢はなかったのだが、ここまで意識されているデッキを使うことには抵抗を覚えていた。
前日に現実逃避でMOで一度負けたことのある《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth(RIX)》《実験の狂乱/Experimental Frenzy(GRN)》デッキを組み、「これでメタゲームの隙間を突く!」と意気込んで回してみたりもしたのだが、5回戦やって全敗し、少なくとも一朝一夕で勝てるデッキではないと我に返ることができた。

ゴルガリにはもう一つ課題があり、それはまだリストが固まり切っておらず、どういう構成にするか考えなければならないということだった。
神決定戦で高橋優太プロが優勝した時のリストは《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》をはじめプレインズウォーカーを計8枚採用した対応力の高い型だったのだが、海外GPの結果を見ると6マナ域は現環境で1枚で対処できるカードの少ない《殺戮の暴君/Carnage Tyrant(XLN)》が多く、これを《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》などからランプして出す型が流行っているようだった。
他方で《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》や《不滅の太陽/The Immortal Sun(RIX)》、《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》を採用したタイプなども勝ち残っており、ゴルガリというカラーリングの中でもカードの選択肢は多岐にわたっていた。
共通して入っているのは《ビビアン・リード/Vivien Reid(M19)》くらいだ。

僕は《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》まで採用するとデッキの半分がマナソースとなってしまい、マナクリばかりで身を引かずに負ける展開が多くなるのが嫌いだったので、流行りの型は使いたくなかったのだが、さてそれではどうやって同型に勝とうと思っていたところ、以下のリストが目に留まった。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1433331
瀧村和幸プロがMO競技リーグで5-0したリストのようだ。プレインズウォーカーがメイン0枚なので、最初はカードパワーが低そうに感じたため、どうやって勝ったのだろうと考えたところ、いくつか気づいたことがあった。
このリストでまず良いと思ったのが《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》を4枚採用している点だ。このカードは地味ながらメタ上の多くのデッキに強く、赤単相手にライフゲインとサイズが強いのはもちろんのこと、一度探検でサイズが上がるとイゼットやジェスカイでは除去しづらくなり、セレズニア相手にもブロッカーとして序盤を支えてくれる。同型に対しても3/5になってしまえば十分な戦力で、2マナ域はこれを4枚採用したいと思っていたところに、ちょうどこのリストは合致していた。
そして4マナ域の《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》4枚だ。このカードはもちろんコントロールには弱いのだが、同型には最良のテンポカードだし、イゼットスペルやボロス天使の貴重な戦力を撃ち落としてくれる。《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》には効果的ではないものの、合わせ技で落とした場合はアド損を回避できる。
この2枚からもわかるように、このリストは毎ターンテンポよくクリーチャーを展開して相手に圧力をかけ、押し切ることに特化したタイプのゴルガリだ。除去1枚で処理されるため弱いと思っていた《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》も、この構成ならばプレインズウォーカーのマイナス能力を使わせつつ次の有効牌を持ってくるだけでデッキのプランに貢献してくれる。あらゆるデッキがゴルガリを対策してくる今の環境では、それらすべてに対応することは難しくても、序盤から圧力をかけて相手の対策が少しでも遅れたら押し切るという戦略は有効であると感じた。ちなみに僕はこのタイプのゴルガリを勝手にテンポ型と呼んでいる。土地の構成もタップインする《愚蒙の記念像/Memorial to Folly(DOM)》無しと、長期戦ではなく序盤~中盤に狙いを定めているのは明らかだろう。
最終的に使用したリストのメインが元のリストと2枚異なるのは、単純にカードを持っていなかったためという恥ずかしい理由である。サイドは「《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》に最低限対応する」「1本目がどうしようもないことが多いジェスカイコントロール・イゼットスペル・横並びビートに2本取り返して勝つ」ことを狙って自分の使いたいカードを入れた。

そんなデッキを当日の朝に組み上げ、キャンセル待ちの枠に滑り込んで試合開始。
PPTQは友人と一回参加したことがあっただけなのでドキドキだ。

1回戦 ジェスカイミッドレンジ ○×○
2ゲーム目は相手2ターン目《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》を除去できず負け。3ゲーム目は《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》に加え《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》が2枚出てきてあまりの対策されっぷりに嫌気がさすものの、《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》などで《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》を通しライフにプレッシャーをかけ、最後は《アクロゾズの神殿/Temple of Aclazotz(XLN)》でぎりぎりライフレースを制することに成功。まずは1マッチ取れて心底ほっとする。

2回戦 ジェスカイコントロール ○○
相手がマナフラしていたこともあってかものすごく不機嫌そうで、ドロー後に舌打ちを連発するなど態度が最悪だった。PPTQってみんなガチだからこういう人多いのかなあ嫌だなあと思っていたが、幸いこの後当たった人の多くはそんなことはなかった。

3回戦 ジェスカイコントロール? ○×○
3ゲーム目、相手の構成がよくわからず、トカートリを警戒して《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen(GRN)》をサイドインしたところ、これが盤面に残って相手が《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》のマイナス能力をここに使わざるを得なくなり、さらに2枚目のテフェリーのマイナス能力も探検で育った《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》に使うしかないという展開に。考えてみれば、このデッキでジェスカイコントロール相手に一番圧力をかけられる4マナ域はヴラスカなので、当然サイドインすべき。もう少しサイドインアウトを練習しないとダメですね。

4・5回戦 ID

ゆっくり昼ごはんが食べられてラッキー。
5位通過でシングルエリミネーションへ。

1回戦 ゴルガリミッドレンジ ○×○
相手もテンポ型っぽかったが、3ゲーム目は先手から《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》→探検クリーチャーたちをサイズアップ→《最古再誕/The Eldest Reborn(DOM)》で《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen(GRN)》を落としフタをするという理想的な動きで勝利。

2回戦 ジェスカイコントロール ○×○
3ゲーム目は先手1ターン目《強迫/Duress(XLN)》で《轟音のクラリオン/Deafening Clarion(GRN)》を落とし、相手が2マナで少し止まった遅れを取り戻させずに勝つことに成功。

3回戦 ゴルガリミッドレンジ ××
相手は《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》や《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》が入った、たぶんセス・マンフィールドっぽいリスト。2ゲーム目、こっちの序盤のクリーチャーが相手の《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker(GRN)》で止まり、手札の《採取+最終/Find+Finality(GRN)》打っても自分の方が被害が大きいため打てず、そのまま長期戦化して負け。《採取+最終/Find+Finality(GRN)》がテンポゲーに合わないことがあるのは知ってたけど、せめて入れるならタフネス3以上を安定して運用する意識が必要なのかも。
ゲーム後にジャッジの方にアドバイスをいただき、けっこうミスっていたところとして、相手の除去に対応して《アクロゾズの神殿/Temple of Aclazotz(XLN)》を起動していなかったことや、探検で《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》にカウンターを乗せ忘れたことなどを指摘してもらった。確かに後者などは言われるまで気づいていなかったのだが、正直この構成だと長期戦化したらだいたい負けだと思っていたので、途中からプレイが雑になっているのは自覚していた。
僕は先のゲーム展開を見据えて選択肢を絞っていったりするのは好きなのだが、すごく複雑で負けそうな盤面を粘っていくみたいなのは正直やりたくないし苦手だ。ただ上手くなるにはそういう技術も必要なのかもしれないし、せっかくゴルガリを使うのならそういう部分も身につけるべきか。

というわけで結果は3没。
マッチアップが偏っていてよくわからないけど、《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》が強いというのは間違っていないと感じた。
リストは元のままにして、サイドプランを身につければもっとやれそうだった。

以上、下手くその駄文ではありますが、狙いを持ってデッキを選び、それなりに勝ち抜くという経験が初めてできたので、試しに記録を残してみました。
細かい試合運びはうろ覚えで書いているので事実と違ったらすみません。

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