スタンPPTQ/ゴルガリミッドレンジ
昨日、某ショップのPPTQに参加してきた。
定員32名のスイス5回戦・TOP8はシングルエリミネーション。
使用デッキは画像のゴルガリミッドレンジ。

今のスタンダードは、MOの競技リーグに参加するとメインから《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》を出されたりするような環境で、ゴルガリミッドレンジは最も意識されているデッキといえる。
あまりに意識されたためか、直前のグランプリ・ニュージャージーではTOP8に一人も残れず、前環境の赤黒のようにメタられても勝てるパワーのあるデッキではないと言われている。
僕はリアルでそこそこ値の張るゴルガリミッドレンジを組んでおり、このデッキくらいしかろくに使用経験もなかったため、大会に出るなら他に選択肢はなかったのだが、ここまで意識されているデッキを使うことには抵抗を覚えていた。
前日に現実逃避でMOで一度負けたことのある《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth(RIX)》《実験の狂乱/Experimental Frenzy(GRN)》デッキを組み、「これでメタゲームの隙間を突く!」と意気込んで回してみたりもしたのだが、5回戦やって全敗し、少なくとも一朝一夕で勝てるデッキではないと我に返ることができた。

ゴルガリにはもう一つ課題があり、それはまだリストが固まり切っておらず、どういう構成にするか考えなければならないということだった。
神決定戦で高橋優太プロが優勝した時のリストは《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker(XLN)》をはじめプレインズウォーカーを計8枚採用した対応力の高い型だったのだが、海外GPの結果を見ると6マナ域は現環境で1枚で対処できるカードの少ない《殺戮の暴君/Carnage Tyrant(XLN)》が多く、これを《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》などからランプして出す型が流行っているようだった。
他方で《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》や《不滅の太陽/The Immortal Sun(RIX)》、《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》を採用したタイプなども勝ち残っており、ゴルガリというカラーリングの中でもカードの選択肢は多岐にわたっていた。
共通して入っているのは《ビビアン・リード/Vivien Reid(M19)》くらいだ。

僕は《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》まで採用するとデッキの半分がマナソースとなってしまい、マナクリばかりで身を引かずに負ける展開が多くなるのが嫌いだったので、流行りの型は使いたくなかったのだが、さてそれではどうやって同型に勝とうと思っていたところ、以下のリストが目に留まった。
https://www.mtggoldfish.com/deck/1433331
瀧村和幸プロがMO競技リーグで5-0したリストのようだ。プレインズウォーカーがメイン0枚なので、最初はカードパワーが低そうに感じたため、どうやって勝ったのだろうと考えたところ、いくつか気づいたことがあった。
このリストでまず良いと思ったのが《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》を4枚採用している点だ。このカードは地味ながらメタ上の多くのデッキに強く、赤単相手にライフゲインとサイズが強いのはもちろんのこと、一度探検でサイズが上がるとイゼットやジェスカイでは除去しづらくなり、セレズニア相手にもブロッカーとして序盤を支えてくれる。同型に対しても3/5になってしまえば十分な戦力で、2マナ域はこれを4枚採用したいと思っていたところに、ちょうどこのリストは合致していた。
そして4マナ域の《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》4枚だ。このカードはもちろんコントロールには弱いのだが、同型には最良のテンポカードだし、イゼットスペルやボロス天使の貴重な戦力を撃ち落としてくれる。《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》には効果的ではないものの、合わせ技で落とした場合はアド損を回避できる。
この2枚からもわかるように、このリストは毎ターンテンポよくクリーチャーを展開して相手に圧力をかけ、押し切ることに特化したタイプのゴルガリだ。除去1枚で処理されるため弱いと思っていた《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》も、この構成ならばプレインズウォーカーのマイナス能力を使わせつつ次の有効牌を持ってくるだけでデッキのプランに貢献してくれる。あらゆるデッキがゴルガリを対策してくる今の環境では、それらすべてに対応することは難しくても、序盤から圧力をかけて相手の対策が少しでも遅れたら押し切るという戦略は有効であると感じた。ちなみに僕はこのタイプのゴルガリを勝手にテンポ型と呼んでいる。土地の構成もタップインする《愚蒙の記念像/Memorial to Folly(DOM)》無しと、長期戦ではなく序盤~中盤に狙いを定めているのは明らかだろう。
最終的に使用したリストのメインが元のリストと2枚異なるのは、単純にカードを持っていなかったためという恥ずかしい理由である。サイドは「《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》に最低限対応する」「1本目がどうしようもないことが多いジェスカイコントロール・イゼットスペル・横並びビートに2本取り返して勝つ」ことを狙って自分の使いたいカードを入れた。

そんなデッキを当日の朝に組み上げ、キャンセル待ちの枠に滑り込んで試合開始。
PPTQは友人と一回参加したことがあっただけなのでドキドキだ。

1回戦 ジェスカイミッドレンジ ○×○
2ゲーム目は相手2ターン目《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard(XLN)》を除去できず負け。3ゲーム目は《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》に加え《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix(RIX)》が2枚出てきてあまりの対策されっぷりに嫌気がさすものの、《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》などで《破滅を囁くもの/Doom Whisperer(GRN)》を通しライフにプレッシャーをかけ、最後は《アクロゾズの神殿/Temple of Aclazotz(XLN)》でぎりぎりライフレースを制することに成功。まずは1マッチ取れて心底ほっとする。

2回戦 ジェスカイコントロール ○○
相手がマナフラしていたこともあってかものすごく不機嫌そうで、ドロー後に舌打ちを連発するなど態度が最悪だった。PPTQってみんなガチだからこういう人多いのかなあ嫌だなあと思っていたが、幸いこの後当たった人の多くはそんなことはなかった。

3回戦 ジェスカイコントロール? ○×○
3ゲーム目、相手の構成がよくわからず、トカートリを警戒して《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen(GRN)》をサイドインしたところ、これが盤面に残って相手が《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》のマイナス能力をここに使わざるを得なくなり、さらに2枚目のテフェリーのマイナス能力も探検で育った《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》に使うしかないという展開に。考えてみれば、このデッキでジェスカイコントロール相手に一番圧力をかけられる4マナ域はヴラスカなので、当然サイドインすべき。もう少しサイドインアウトを練習しないとダメですね。

4・5回戦 ID

ゆっくり昼ごはんが食べられてラッキー。
5位通過でシングルエリミネーションへ。

1回戦 ゴルガリミッドレンジ ○×○
相手もテンポ型っぽかったが、3ゲーム目は先手から《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》→探検クリーチャーたちをサイズアップ→《最古再誕/The Eldest Reborn(DOM)》で《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen(GRN)》を落としフタをするという理想的な動きで勝利。

2回戦 ジェスカイコントロール ○×○
3ゲーム目は先手1ターン目《強迫/Duress(XLN)》で《轟音のクラリオン/Deafening Clarion(GRN)》を落とし、相手が2マナで少し止まった遅れを取り戻させずに勝つことに成功。

3回戦 ゴルガリミッドレンジ ××
相手は《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(M19)》や《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》が入った、たぶんセス・マンフィールドっぽいリスト。2ゲーム目、こっちの序盤のクリーチャーが相手の《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker(GRN)》で止まり、手札の《採取+最終/Find+Finality(GRN)》打っても自分の方が被害が大きいため打てず、そのまま長期戦化して負け。《採取+最終/Find+Finality(GRN)》がテンポゲーに合わないことがあるのは知ってたけど、せめて入れるならタフネス3以上を安定して運用する意識が必要なのかも。
ゲーム後にジャッジの方にアドバイスをいただき、けっこうミスっていたところとして、相手の除去に対応して《アクロゾズの神殿/Temple of Aclazotz(XLN)》を起動していなかったことや、探検で《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》にカウンターを乗せ忘れたことなどを指摘してもらった。確かに後者などは言われるまで気づいていなかったのだが、正直この構成だと長期戦化したらだいたい負けだと思っていたので、途中からプレイが雑になっているのは自覚していた。
僕は先のゲーム展開を見据えて選択肢を絞っていったりするのは好きなのだが、すごく複雑で負けそうな盤面を粘っていくみたいなのは正直やりたくないし苦手だ。ただ上手くなるにはそういう技術も必要なのかもしれないし、せっかくゴルガリを使うのならそういう部分も身につけるべきか。

というわけで結果は3没。
マッチアップが偏っていてよくわからないけど、《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》が強いというのは間違っていないと感じた。
リストは元のままにして、サイドプランを身につければもっとやれそうだった。

以上、下手くその駄文ではありますが、狙いを持ってデッキを選び、それなりに勝ち抜くという経験が初めてできたので、試しに記録を残してみました。
細かい試合運びはうろ覚えで書いているので事実と違ったらすみません。

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